かけ算の順序問題
1冊108円のノートを5冊買うと何円でしょう
という問題を
108×5=540
と
5×108=540
のどちらか片方だけを正しいとするか両方とも正しいとするかという問題。 ウィキペディアをみても百家争鳴でみなが納得する統一見解はなさそうだ。
自分の意見
日本語の文章と算法のA×B=Cという表記は互換性がなく等価ではないため問題設定そのものが意味がないというのが自分の意見だ。
理由
日本語の文章には何冊や何円や何グラムや何センチなどの単位があるが、単純にA×B=Cと書くときのAやBやCは無名数であり実は単位というものがない。自然数や整数や実数は抽象的な概念なので何冊や何円や何グラムや何センチという単位の考え方がないため、日本語の世界から自然数や整数や実数の世界に移行するときに何冊や何円や何グラムや何センチという単位を切り捨ててしまっているわけだ。
この切り捨てた単位の考え方がA×B=CのAやBに残っているんだとするのが順序はあるよ派で、残っていないんだとするのが順序はないよ派だと思われる。
だがしかしA×B=Cとした時点でCも無名数なので単位がないため、実はこのままではCは日本語の問いかけの答えにならない。だから問題設定そのものがナンセンスだというのが自分の考えだ。
ではどうするべきか? 自然数や整数や実数の世界だけでは表現しきれないので、別途単位を与えてやる必要がある。 冒頭の例題ならこうだ。
108[単位:円/冊] × 5[単位:冊] = 540[単位:円]
または
5[単位:冊] × 108[単位:円/冊] = 540[単位:円]
です。
ポイントは単位当たりをきちんと表現することだ。 穴埋め問題で順序を指定するならきちんと単位を明記して
A[単位:円/冊] × B[単位:冊] = C[単位:円]
としなければならないし、順序を指定しないなら単位を空欄にして
A[単位:○]×B[単位:□]=C[単位:円]
というように無名数とともに単位を埋めさせるようにして、自然数や整数や実数だけでは欠落する情報を付け足してやらないといけない。
ちなみにこの単位をつける考え方を量の次元という。
蛇足
つらつら考えたけど、そもそも小学校の算数で量の次元を教えるのは無理があるよなあ。